浦和美園地区は、まだまだ緑の多い場所。そこに咲く春を告げてくれる桃の花は、ひな祭りのひな壇に飾る花としても親しまれている。桃の花を出荷し続けて50年という渋谷豊さん(72歳)は「今年は、いいのか悪いのか暖冬で、温室よりも外でチラホラ咲き始めてしまい、ちょっと困っています」と苦笑いする。例年だと、まだ堅いつぼみの頃の枝を、手頃な切り花用に切り落として、5〜6本に束ねる。それらを水の入った容器へ差し込み、温室でつぼみのふくらむさまをみながら、1週間ほど世話をするそうだ。温室は暗室になっていて常温で20度ほどを保つというが、取材当時は「ひな祭りに向けては七分咲き、八分咲きが理想ですが、なかなか思うようにはいきません」と今年の感触を示していた。中国が発祥とされるバラ科の桃の花は、古くから日本でも栽培され、邪気を払う力があるといわれてきた。お祝いごとでみかけるのもそのためで、今でも人気は高いそうだ。渋谷さんは、足立区にある花の卸売市場に出荷するというが、父親の代から受け継ぎ今な生業として関わっている。桃の花のあとは、河津桜や彼岸桜、ソメイヨシノなど桜の花へと続き、草花も多数出荷している。初夏を迎えると七夕の笹竹、クリスマスの時期にはリースなどに使用されるヒムロスギも取り扱っており、年間を通して植木を育て、切り花を出荷している。手塩にかけた植物については「あまり切り過ぎてもよくないので、来年のことも考えて出荷している」と工夫もみせる。まだまだリタイアは先。元気いっぱいに応じてくれた。【増田啓子】
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