劇中で流れる音楽は、特撮作品のみならず、映像作品には欠かせないものである。主題歌や挿入歌や作中に流れる曲を聴くと、「ああ、あのシーンね!」と思い出してしまうほどに強烈に印象に残ってしまうものだ。音楽が素晴らしいと言われる特撮作品の一つに「ウルトラセブン」がある。劇中音楽は冬木透が作曲した。前作の「ウルトラマン」はジャズの編成を多用していたが、「ウルトラセブン」はオーケストラ編成主体の楽曲が多くなっている。実相寺昭雄氏の著書『ウルトラマン誕生』(筑摩書房)によると、冬木は、円谷英二の息子である円谷一から「子供たちのハーモニー感覚を研ぎ澄ますテーマがほしい」との漠然としたヒントを与えられたと語っている。子供騙しではなかったからこそ、日本の未来を背負う子供たちに影響を与え、ここまでウルトラシリーズが続いてきたのだろうと思わせるエピソードだ。また、2022年6月23日に亡くなった渡辺宙明も特撮作品にはなくてはならない作曲家の一人である。有名な作品では「秘密戦隊ゴレンジャー」、「マシンガーZ」などが有名だ。独特の哀愁感とリズム感のある唯一無二の楽曲の数々は「宙明サウンド」と呼ばれ、多くの特撮アニメファンから愛されている。2021年に放送された「機界戦隊ゼンカイジャー」の制作発表会見で日本最高齢95歳の作曲家として劇中の音楽を作曲すると発表されたときは鳥肌がたったぐらい興奮したのを今でも忘れられない。みなさんは印象に残っている特撮の楽曲があるだろうか。【うえぽん】
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