特撮でも恋愛を描いた作品は意外に多い。主人公とヒロインが結ばれたり、ヒロインと主人公以外のメインキャラクターが結ばれたりする。2021年7月放送の機界戦隊ゼンカイジャー「いのち短し、恋せよゼンカイ!」を見た私は目玉が飛び出るほど驚いた。メインキャラクター同士が人々をささいなきっかけで恋に落とす「レンアイワルド」と呼ばれる怪人が現れ、無理やり恋人同士になってしまう。このメインキャラクターの組み合わせに顎が外れるほど驚いた。メインキャラクターの女同士、男同士が恋人同士になる、という展開だ。しかも、それを日曜日の子供番組で堂々とドラマとして放映していたのだ。じつは、特撮ヒーローシリーズは当時のトレンドや世相を反映することが多い。例えば、戦うトレンディードラマといわれた「鳥人戦隊ジェットマン」は、当時のトレンディードラマ人気にあやかってその要素を取り入れたのは有名な話。仮面ライダーの前作・ゼロワンはAIがテーマであったが、これもその時代を反映させたわかりやすい事例の一つである。今回の話に関しては、LGBTを子供番組といういわばお茶の間で楽しむ番組に持ってきた点で、画期的なできごとであったと言えるのではないだろうか。そういう意味でとても感動してしまった。ちなみに「レンアイワルド」は、「鳥人戦隊ジェットマン」をモチーフにした必殺技でゼンカイジャーたちに倒されてしまった。気になる人は是非チェックしてみて欲しい。【うえぽん】
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