今回のテーマは自閉症です。みなさんも名称は聞いたことがあるかと思います。どんなイメージでしょうか。まったく言葉をしゃべらず、ひきこもって、何もできない。そう思っていると、自分のお子さんやお孫さんが「自閉症です」と言われると、ショックを受けることでしょう。症という文字でくくられているため、ひとつの決まったタイプを示していると思われがちですが、実際にはもっと幅のあるものです。たしかに、最重度の自閉だと冒頭のような方もいます。しかし、軽ければお話もできますし、計算も書字もまったく問題ないばかりか、むしろ人よりすぐれてできることもあり、社会に出て仕事をなさっている方もいます。人には性格があります。人の反応を敏感に読み取り自分の行動をそれに合わせることが得意な人も居れば、他人がどうであろうとマイペースに自分のしたいことを貫き通す人も居ます。その振り幅が大きければ自閉症ですし、軽ければ少し変わった人です。彼らには、他人がどう思うかということを尊重してそれに合わせて自分の行動を変えていくということが不得手という特徴があります。原因はここではふれませんが、その特徴は本人の努力で変えられるものではありません。ですから、育て方が悪かったり、わがままだったりしてそうなっているわけではないのです。幼児期に、泣き始めると激しすぎてちょっと心配と専門医にかかって自閉傾向があることがわかるお子さんも居ます。小学生になって、学校に行きたくないと言い出したことをきっかけに判明する子もいます。大人になって就職して、あんまりミスが多いので怒られ続けて鬱になり、カウンセリングを受けて判明する人も居ます。障害であると気づかれず、努力が足らない、なまけていると、自分の努力ではどうにもならないことで、辛い思いをしてきてしまうことのある障害です。努力しているのに、どうも不適応になりやすいという方いらっしゃいましたら、一度診断をあおぐことをおすすめします。【愛風・久毛しずか】
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