色彩 色の世界 「山 吹」

 今回は山吹色についてお届けします。山吹色は山吹の花の色のような、鮮やかな赤みの黄色。
 山吹は岩槻区の花にも認定されています。
北海道から九州まで分布し、古くから親しまれた花です。特に八重咲きが好まれ、よく栽培されています。花言葉は光輝くような花色に由来して、「気品」「崇高」というものがあり
ます。
 古来より山吹は平安人に好まれ、様々な文献に登場します。その華やかな色彩が愛され、装束に用いられました。山吹はゴージャスな演出に好まれたんですね。
 さて、「山吹」「岩槻」と並ぶと、はずせないのが「太田道灌」です。岩槻城を築いたとされ、「七重八重 花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」の歌はよく知られています。
 道灌は鷹狩りにでかけてにわか雨に遭ってしまい、みすぼらしい家にかけこみました。道灌が「急な雨にあってしまった。蓑を貸してもらえぬか。」と声をかけると、少女が出てき
て黙ってさしだしたのは、蓑ではなく山吹の花一輪でした。花の意味がわからなかった道灌は「花が欲しいのではない」と怒り、雨の中を帰って行ったのでした。後に、その娘は蓑
ひとつなき貧しさを山吹に例えたのではないかと家臣から諭され、己の不明を恥じ、この日を境にして歌道に精進するようになったといいます。この話は落語の「道灌」としても広
く知られています。
 なにげなく咲く山吹の背景を知ると、山吹への見方も味わい深くなりそうですね。     【金色野原】

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