僕は現在、都内の大学へ通っています。今年の夏、長い夏休みを利用してさまざまな街を訪れる体験をしてきました。しかし、初めは「何か新しい発見があるかもしれない」とワクワクしていたのですが、大きな街に行くほど、すでに自分が体験したことのあるような感覚“デジャブ”を味わってしまい、新鮮さをいまいち感じられませんでした。これはひとえに、日本社会における高度経済成長期をきっかけとして、ステレオタイプの“まちづくり”が江戸時代から蓄積された地域独自の文化や風景を、消失させてきた結果のように思えました。そこで思いを巡らせたのが、改めて「まちの魅力とは何か」という問いでした。ただ、その言葉だけで表すと、イメージがどうしても抽象的になってしまいます。そのため本稿ではもう一歩ふみこみ、魅力的なまちの定義を「歩きたくなるまち」にしてみましょう。歩いて暮らせるメリットや魅力がなければ、クルマで移動するのが必須の生活から脱却するのは難しいです。では、歩くために必要はことは何でしょうか。真っ先に思い浮かぶのは、安全な歩道や適正な公共交通のインフラが整備されていること。そして、徒歩圏内に生活に必要な機能が集約されていることです。しかし、ここまではどの都市にもある程度揃っているかもしれません。加えて必要になるのは、まち自体が個性を持っていることです。目線をさいたま市岩槻区に向けてみると、他区と比較してみても個性があるように思います。ただ、区内外を問わず歩いてみたいと思う人たちはどれほどいるでしょうか。立地的な問題もあるかと思いますが、歩いていて心地よいと思える十分な空間設計には、まだまだいくつかの課題が残されているような気もします。駅を降りてから寺社仏閣を巡るにしても、行き着くまでの雰囲気づくりや気軽に立ち寄れる休憩所も必要です。あくまでも一例ですが、まちに訪れた人たちを飽きさせない“連続性”や“調和”が大切で、それがあってこそ「歩きたくなるまち」が実現できるのではないかと思います。2020年には「いわつき人形博物館」の開館も予定されていますが、岩槻に住む一人として、にぎわいを生み出す方法を考えていきたいです。【さいたま市若者会議 代表・尾舘祐平】
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