西福寺と稲荷神社(南平野) 佐藤里枝
元荒川に架かる岩槻橋を春日部方面に渡り左折すると直ぐに、南平野の西福寺と稲荷神社が見えてくる。寺の裏にある駐車場付近には、いつもなら少しずつ時期をずらして咲く、コブシ、水仙、モクレン、椿などの花々が満開であった。以前はかやぶき屋根だった西福寺の本堂は、5年前にご住職の希望もあって奈良の唐招提寺を模した瓦屋根に建て替えられたそうだ。私の訪れた春分の日、五色幕がかけられ、開け放たれた本堂からは御詠歌が流れていた。その朗々とした声に心がおだやかになるようだった。檀家の人たちが集まって行っていた時もあったが、今はテープを流しているそうだ。寺の碑によると開基は1600年ごろとある。寺内には古い石仏があちこちに見られる。中でも本堂の左側にずらりと並ぶ庚申塔は、20基ほどもあり、「青面金剛」などの像を刻んだものや、「庚申塔」などの文字を刻んだものが交じり合う。地続きにある稲荷神社には、明治に作られた富士塚があり、その他にも天神様,聖天様が合祀されていて村の鎮守様として地元の人の拠り所だったことを感じた。また、神社の南側にある昭和26年に建てられた「興農事業完成記念碑」は、新和にあった陸軍飛行場跡のコンクリートを使っているそうだ。小砂利の混じった碑には、敗戦間もないころ、荒廃した農地を開墾した人々のの思いが刻まれている。 神社からは、昔と変わらないおだやかな川の流れが見える。対岸のあちこちに見えるケヤキの新芽が柔らかい緑になるのも間近である。(第12回)
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