逸話だらけの月光仮面

「どこの誰だか知らないけれど誰もがみんな知っている」
冒頭のこの歌詞だけでどのヒーローなのかわかるだろうか?
1958年に放送が開始された日本のヒーロー番組の元祖、月光仮面の主題歌「月光仮面は誰でしょう」である。
この番組の面白いところはコメディー時代劇の打ち切りが決まり、急遽制作が決まった後釜番組だったとことにある。
当時の30分番組は1本につき80万円から100万円をかけないと番組制作ができないと言われていた。
そんな中、予算はたったの10万円。
そのため、撮影スタッフも主演も監督も全て無名をそろえて予算を削り、悪役には当時番組制作を請け負った宣弘社プロダクションの社員が覆面をして入っていたのだから予算の削り方は尋常じゃない。
この番組は当初考えられていた放送期間の3ヶ月から大幅に延長され、子どもたちにとても愛された。
平均視聴率40%、最高視聴率は68%というから驚きだ。
だが、これを見た子ども達が月光仮面の真似をして高所から飛び降り怪我や死亡する事故が続発してこの結果番組は打ち切りになっている。
しかし、この番組が、のちの特撮番組に影響を与え、さらにこの月光仮面自体もさまざまな形でリメイクを重ねていくのである。
私が個人的に一番面白いと感じたのは、カメラのパン(三脚に固定させながらカメラだけを横に動かす行為)ができない時代なので、なんとか画角に入ってドラマを展開させようと試行錯誤しながら撮影している映像である。
時々、役者が映像からはみ出てしまうのをみるとほっこりする。
家から出ることもなかなか叶わない時期だが、昔に思いを馳せながら映像を見るのも一つの楽しみかもしれない。
【うえぽん】

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