長 永 の 岩 槻 B 級 ス ポ ッ ト紹 介 ㉔ 「灌漑遺構か集落防御か?謎の堀」後編

 謎の堀とその周辺関係について、もう少し詳しく見ていきます。
 この堀が水堀状になるのは、たまに無い時があるとはいえ、春から夏です。
 これは「田んぼの水に関係するか?」とずっと思っていましたが、もう一つ、「水害対策の可能性はないか?」とも考えるようになりました。
 それは、この堀からの水が排水される隣の水路を見てでした。
 隣の水路はそのまま真っすぐ綾瀬川に流れ込む…かと思いきや、直前で奇妙なカーブをします。
そしてそのまま直接は綾瀬川に注がずに南下、隣の川の、綾瀬川まであと数メートル位の位置に合流します。
 断言はできませんが、どうもこれは水害対策の様に思われました。
 わざわざ水路をカーブさせて、更には直接綾瀬川に入らないようにしているのは、水の勢いを和らげたり、少しでも下流に流す、距離を稼ぐなどかと思います。
 最近この付近に工事が入り雰囲気が変わりつつありますが、コンクリートで固められていないこの辺の水路は、それこそお城の堀のようなしっかりした物です。
 これはよほどの理由がなければ作られることはなく、思い当たるのが水害対策でした。
 前編で最初に挙げた『真田の田んぼ』と呼ぶ大元である真々田様の本家様。
 かつての御屋敷の周りは、現地の方のお話では『池』があったと聞きました(恐らくは水堀)が、特には大きな土塁が隣接はしなかったようです。
 これはここ以南の地域全体がそうですが、家の周囲に水除・排水の水路を掘り、その土を使って敷地のかさ上げを行っている様子があります。
 今回の謎の堀も、もしかしたら同じように水除・排水、そして掘った土はかさ上げに使われたのかもしれませんね。
【本格格闘甲冑集団- 式- 長永】

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