合唱曲の中でも、三善晃の曲は妙に難解で技巧的だ。合唱界の中だとかなり有名な作曲家であるが、学校内の合唱コンクールではめったにお目にかかる機会がない。私がこの人の曲に当たったのは高校1年生のとき。「生きる」という混声4部合唱曲だった。谷川俊太郎の詩に乗せて、静かにひたひたと「生きること」について語る場面から、曲が終盤になるにつれて「生きること」について湧き上がるものが抑えきれないという風に場面で「生きること」の意味合いが変わってくるのがこの曲の最大の魅力だと思う。合唱曲や器楽の作曲家かと思いきや、じつは、赤毛のアンという昔のアニメのオープニングテーマとエンディングテーマを作っていたことを最近知った。流石の三善サウンド、とても美しいがよくよく聞いてみるととても難しいメロディーラインに添えられたオーケストラ伴奏。うーん、たまらんなあ。ちょうどこの時期、というか、1960年代から1970年代はテクノサウンドが流行った時期で例にも漏れず三善晃もその影響を受けた。有名なもので言うと5つの童謡と言う合唱組曲がある。これがまた難解だ、なにより曲のテンポの速さもさることながら、音の跳躍が激しく歌い手の技術力が問われる。これが一時期、全日本合唱コンクールの自由曲として流行ったそうだ。合唱から離れてみるとそんな難しい曲を歌うこととは無縁になる。不意に恋しくなってしまうのは、かっちり歌えた後の爽快感をまた味わいたいからなんだと思う。【うえぽん】
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