鳥の話〜後編〜

らうんじ【岩槻】特別編集ページtamakoti

二代目、三代目……と、命を全うする度に新しい鳥を飼った。
そして今いるのは子供が選んだのだが、(私が気に入ったのとは別の鳥だけど)我が家に鳥がいるのは、きっと一代目と出会った時に決まっていたのだ。
出会う前からずっと、私は鳥に惹かれていたのだから。
インコに家族中が教え合ったが、覚えたのは「おはよう」だった。
手に乗って話し手の口元と目を凝視する姿は行儀のよい生徒だが、残念ながら覚えは悪かったらしい。(どうして覚えてほしい言葉を覚えず、どうでもいいことはよく覚えるのか、いまだに不思議だ。)
構ってあげないと肩に乗って耳たぶを噛む。
非常に痛い。
肩には乗せないようにするが、気づいたら(冷蔵庫を開ける時とか)乗ってくる。
それ自体は、嫌いではない。
そんなことだから、耳たぶを噛まれるのだが。
鳥が体調を崩した。
寒いのが苦手らしい。
病院で貰った薬はなんと人に処方する薬が少量になったもので、人もまた動物ということなのか、それとも鳥が人らしい動物ということなのか、不思議だ。
病院から帰ってくると「ここ」と注射の痕を見せ、家族の同情と共感を得ていた。
病院通いの時に、待合室でひたすら「いいにゃ、うれしいにゃ」と連呼するのは、さすがに恥ずかしくて参った。(当然ながらいるのは私だけではない。)
話し好きなこの鳥が家族みんな大好きで、なんだかんだとこうして書いたけれど、そういうところも含めたすべて、私は嫌いではないのだ。
【たかや】

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