4月3日、台湾東部の花蓮市で発生したマグニチュード7・2の大地震。
地震から10分後には、市内の小中学校で避難所開設の準備が始まりました。
たびたび大きな地震に見舞われてきた花蓮市では、行政と民間とが一体となった実践的な避難訓練が行われてきました。
今回も官民共通のLINEグループにより情報が共有され、3時間で避難所の態勢が整ったと言われています。
開設後には、温かい弁当やピザが毎食届けられました。
台湾では冷たい弁当を食べる習慣がないのです。
日本のニュースでも、発災当日の避難所に、写真のテントが設置されていたのを見た方も多いと思います。
このテントは、花蓮市に本部のある台湾仏教慈済基金会という民間団体が備蓄していたものです。
この団体は台湾では慈済(ツーチー)と呼ばれ、大学や病院、テレビ局まで保有する大きな慈善団体で、台湾では知らない人がいません。
団体のモットーは「困っている人がいたら助けよう。」で、東日本大震災でもいち早く三陸を訪れ支援活動や見舞金の支給に取り組みました。
今年の能登地震でも、奥能登で炊き出しを続けていました。
日本の災害支援に取り組む中で、事前に備えることの重要性に気付き、大量のテントなどを備蓄していたことが、今回のすばやい避難所開設につながったと言われています。
災害への事前準備が進んでいるのは台湾だけではありません。
ヨーロッパの地震国であるイタリアでは、事前に研修を受けて登録した災害ボランティアが120万人以上もいます。
災害が発生し、「緊急事態宣言」が発令されると、彼らは一斉に被災地に派遣され、日当、交通費、労災保険が政府から提供されるのです。
さらに、備蓄してある「テント、簡易ベッド、トイレ」のユニットがトレーラーに載せられ二日目までに被災地に届けられる体制が整えられています。
同時にキッチンカーも集結し、大きなテントが設置され、パスタなどの温かい食事の提供が約束されています。
台湾では、避難所の態勢について、「日本完敗。
希望的日本也能採用(日本でも取り入れてほしい)」と報道されていました。
日本が台湾やイタリアに追いつくのは、いったいいつの日なのでしょうか?
【さいたま市防災アドバイザー・加倉井誠】
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