あるテレビ番組を見ていたところ、茨城県のとある町では「野菜のきゅうりを作ってはいけない」と、昔から言い伝えられていると知った。その理由は、雨不足で困った村人たちが、雨乞いをしていたことに由来する。神社の家紋がきゅうりの輪切りに似ていたことで「もうきゅうりは作りませんから、どうか雨を降らせてください」と願掛けをしたところ、雨に恵まれ、村人たちはたいそう喜んだそうだ。それを機に、茨城県のとある町では現在まで、きゅうりを栽培することは禁じられているという(食事はするにしても、だ)。そしてじつは、似たような風習を浦和美園地区で耳にしたこともあり驚いた。十年前に他界した方から聞いた話であるが「この地域では昔から、きゅうりを作ってはいけない」とする言い伝えがあるのだ。その方が「どうしてか理由は定かではないが、村のえらい方が、きゅうりのツルでつまずいたのかな?」と笑っていたのも思い出す。ただ、茨城県のとある町とは異なる。浦和美園の地域では現在、昔の言い伝えであるため、好きなだけきゅうりを栽培して、もちろん食べている。それでも伝統や風習を重んじて、初物のきゅうりは「神社にお供えしてから」とする年配の方もいて、初夏の神社の境内には何本がのきゅうりが供えられているのをみかける。ことわざには「ところ変われば品変わる」という言葉もある。土地が違えば、風習や習慣が異なるとされているが、まんざら間違った言葉ではなさそうだ。この時期になると思い出すが、今年の夏は心してきゅうりを食したいもの。もうそろそろ、夏野菜の苗が店先をにぎわしてくれそうだ。【増田啓子】
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