出荷を待つ花々 今年は寂しさも募る

浦和美園地区は、まだまだ園芸のさかんな地域だ。
春先から夏にかけても、時季に沿った花や植木などを出荷して、生計を立てている農家を各所でみかける。
ところが、今年は事情が異なった。
新型コロナウイルスの感染拡大により、浦和美園地区でも多方面に影響が広がっていた。
そんな中、季節の草花たちもしっかりとつぼみをつけて、今か今かとわが身の出番を待っていた。
この時期に目をやりたくなるのは、梅雨どきのスタートもいえるアジサイである。
ごま粒ほどの蕾を付けた花々は、品種もヤマアジサイや柏葉アジサイなど多種多様で、それぞれが競うように咲き誇る光景には思わずみとれてしまう。
アジサイのほかにも、アヤメや卯の花などのかわいい花々が出荷を待つ。
浦和美園地区で園芸業を営む山崎さん宅でも、近隣の川口市立安行植物市場に出荷される予定だった花々をみられたが、コロナ禍での休場に伴い、今か今かとオープンを心待ちにしていた。
例年、この時期になるとあちこちの公園や道の駅など、たくさんの人手でにぎわうスポットで、植えられた花々を楽しむ光景を間近に楽しむ人たちをたくさんみかけたものだ。
しかし、今年は遠くの方から花々を眺めて、ほっこりしている人たちの姿だけなのがちょっとさみしい。
来年のこの時期には、もっと成長したアジサイやアヤメで、季節を楽しみたいと願うばかり。
【増田啓子】

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