岩槻の巨木~その23~ 「慈恩寺のクスノキ」

今回は、慈恩寺のクスノキです。
観音堂の右手前の阿弥陀堂の裏庭に幹周り4・73mの巨木があり、南側の駐車場から塀の上に大きく枝を広げている姿を見ることができます。
私は樹齢を230〜290年と推定しました。
クスノキは大木になる木で、全国巨木ベストテンに7本が入っています。
日本最大の木(幹周り24・9mのクスノキ)は、鹿児島県にありますが、第二位は熱海市の来宮(きのみや)神社にある幹周り23・9mのクスノキです。
来宮神社は熱海駅の一つ先の来宮駅から徒歩5分で行けるので、鹿児島まで日本最大の巨木を見に行くのが億劫な方は、熱海温泉に行ったついでに足を延ばして、来宮神社のクスノキを見に訪れるのも良いでしょう。
言い伝えでは、幹の周りを1回廻ると寿命が1年延びると言われています。
クスノキは飛鳥時代(西暦593〜694年)に、仏像の材料として使われていたことが判っています。
聖徳太子が建立した法隆寺の仏像は、ほとんどがクスノキで作られています。
その後ヒノキやカヤに変わって行くようですが、もともと中国の仏像が香木の白檀で作られていたので、それに倣い仏像作成当初は良い匂いのするクスノキが使われたそうです。
慈恩寺は岩槻区で最も古いお寺(平安時代の天長元年[824]創建)で、坂東観音札所三十三番の第十二番札所となっています。
また、近所には孫悟空が活躍する「西遊記」でおなじみの玄奘三蔵法師の霊骨塔があります。
慈恩寺参詣とともにクスノキの巨木を見に訪れてはいかがでしょうか。
【森林インストラクター・桂幸一】

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