近所の女子高生が、ランニング中に立ち寄り「何か、パインかバナナ? そんな香りがする」と言っていた。季節は今からさかのぼるが、5月中旬の快晴の日。街中でオガタマ(招霊)の木を見た。空高く眺めてみると、本当に甘い香りがただよってきて、何とも香ばしい幸せな一時を味わった。通常はオガタマと呼ばれているが、正しくは、モクレン科・オガタマノキ属の常緑高木だ。中国南部原産で、カラタネオガタマ(唐種招霊)やトウオガタマ(唐招霊)という呼び名もある。中国名では含笑花とも呼ばれており、実際に目にするとその意味が少しだけ分かるような気もする。英名のバナナフリーも、同じくうなずける。耐寒性・耐暑性もあるため、四季のある日本でも生長がみられる。花が咲く時期は、4月の終わり頃から5月頃まで。黄白色の花で直径は3センチほど、花びらは6枚ほどになる。クチナシや山茶花(さざんか)のような華やかさはないが、小さく愛らしい。花の命は短く、1〜2日で散ってしまうが、バナナの香りが辺り一面にただよい、生け垣や記念樹、一家のシンボルツリーとしても、途切れることなく人気が続いている。少し時季がずれてしまったが、いずれまた訪れる春ごろ。もし「あれ、この香りはパインかバナナ?」と小鼻をくすぐることがあったら、ちょっと立ち止まって観察してみてほしい。ひょっとしたら、新しい発見があるかもしれない。【増田啓子】
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