特撮ヒーローといえば「変身」がキーワードと思われがちだが、反対に「変身」しないヒーローも存在する。ブルースワットはその一例だ。1994年1月から1995年1月まで放映されたこの作品は、その前に放送されたヒーローたちと違って、リアル路線を徹底したかなり野心的な作品づくりをしていた。自動的に変身するのではなく、強化装甲をじかに着用する戦闘形態。着用後の能力に個体差がない設定などは、リアルを重視したからこそだ。敵となる地球外知的生命体で構成された宇宙犯罪組織「スペースマフィア」への攻撃手段も他の特撮ヒーローと異なり、物語全体の前半まではパンチやキックではなく、実弾を込めた銃で対峙していた。私も幼い頃にリアルタイムで観ていたが、自衛隊さながらの訓練をするシーンが印象に残っている。生身の人間が地球外知的生命体と戦うのは映画にもよくある話だが、特撮の中でも異色作とされるのは「変身しない」という特徴に尽きるのかもしれない。とても辛いことがあったりすると「別の何かに変わりたい」とか「あの時にあの選択肢をしなければ」とか後悔することも往々にしてある。しかし、「変身」をしなくても今の自分を強化して頑張れればいいと思えれば、ブルースワットのように生身の自分で目の前の困難に立ち向かっていけるのかもしれない。【うえぽん】
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