蓮はインド原産で、開化時期は7〜8月。花の色は白や桃色です。早朝に咲き、昼頃には規則正しく閉じて1枚ずつ散っていきます。花の中心の形状がハチの巣に見えることから「はちす」と名付けられ、やがて「はす」になったそうです。花言葉は「清らかな心」「神聖」「雄弁」「沈着」「離れゆく愛」「救済」「休息」と様々。仏教に関係のあるものが多いです。 理由は、泥水から美しい花を咲かせるその姿が、仏様の智慧(ちえ)や慈悲の象徴とされたからです。よい行いをすると、死後は極楽浄土で蓮の花の上に転生すると言われています。極楽浄土は蓮の花の形なのです。また、蓮は神聖の象徴とされています。生まれたお釈迦様が歩きだし、足跡から開花した蓮の花の上に立ち「天上天下唯我独尊」と言ったそうです。お釈迦様は「人生は苦しみであり、苦しみ無しに人は悟ることができない」と教えます。悟りの世界とは、すなわち迷いの無い心の安定の地という意味です。 なみに、西洋の伝説に黒い蓮が出てきますが、自然界に黒い蓮はありません。古代ギリシアの詩人ホメロスの長編『オデュッセイア』によると、オデュッセウスがギリシアの帰途に漂着した島に住むロートパゴイという人々が食べていたのがロートスの実でした。とてもおいしく、世の苦痛を忘れるといいます。日本と海外で共通するのは、蓮が「実在しない世界に存在する花」とされていることです。人びとは心に咲く一凛の花に、蓮の姿を重ねたのかもしれませんね。【さかい】
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