自閉症に気付いてほしい 二人の実体験

自閉症の方は、感覚に偏りがあることが多いため、自分でも止められない癖を持っていることがあります。
Aさんは、げんこつであちこちを叩くくせを持っています。
私であれば、痛くて叩けないところも叩いています。
あまりたくさんたたくので、げんこつにはタコができています。
電車の中でも電車の壁を叩くので、他のお客さんは怖がって彼の周りから離れます。
Aさんに聞いてみました。「電車の中だけは叩かないようにできないの?」「うん。止められないの」「そう、それじゃぁ、私がAさんのためにしてあげられることは何?」「周りの人に、怖くないよって、言ってほしい」。
Aさんは、成人でこわもてなので、げんこつで壁をたたいていると、周りの人が怖がること、頭ではわかっているのです。
でも止められない。
それで、周りの人が逃げていくのを彼はとても悲しく思っていました。
B君は、Aさんのような癖はなく、見た目は普通の青年です。
自閉があるというので、リハビリを受けてきた経験があり、その先生が大好きで、自分も療法士になりたいと、頑張って勉強して専門学校に入りました。
成績は良くはありませんでしたが、なんとかテストは合格できました。
けれども、実習が難しい。
例えば、患者さんの歩行の練習中に、足ふきマットがめくれてしまうと、それを直さずにはいられないのです。
患者さんを放置してでも直してしまいます。
それでは実習は通りません。
結局彼は道を変え、自転車を部品から15分程度で一台組み立てることができる技術を生かして就職しました。
自閉といっても、話ができて、笑えます。
感覚のかたよりから、自傷行為と呼ばれる癖を持っている人も居ますが、自分では止められなくて、本人も困っていたりします。
ちょっとみただけでは障害があるってわからなくても、自分ではどうにもできない大変さを抱えていることがある人がいるのです。
【愛風・久毛しずか】

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