自衛隊派遣が遅れた静岡の断水

2022年9月23日からの台風15号によって、静岡県内では土砂崩れで死者が出るなど大きな被害が出ました。
中でも静岡市清水区では、水道の取水口に流木や石が流れ込んで破損し、6300戸以上の大規模な断水が発生しました。
多くの市民が断水で苦しむ中、静岡市長と静岡県知事の連携不足により、自衛隊の派遣要請が進まず、実際に要請がされたのは断水3日後の26日という事態になってしまいました。
要請が遅れた分、自衛隊は市民の命を守るため一刻も早い水道復旧をめざし、徹夜で復旧作業に取り組んだのです。
静岡大の笹沼弘志教授は「県が市町との調整に時間がかかったということは言い訳にならない。
川勝知事はリニアでは水に敏感なのに、水害では鈍感だった」と皮肉り、「住民の安全などを日ごろから軽視していることがあらわになった」と苦言を呈しました。
川勝知事は、リニア建設では大井川の水源問題を理由に反対しているため、建設工事がストップしています。
行政が頼りにならない中、人工透析をしている杉山クリニックでは、緊急用に配備していた井戸水を急遽透析用に使うことを決め、断水後も150人に透析を実施。
さらに近隣の住民にも井戸水を提供しました。
牧之原市の醤油会社ハチマルでは、自社の給水車に水2000Lを満載して静岡市に出動。
給水のたびに牧之原市から往復するのは効率が悪いので、稼働している静岡市駿河区の取水場から水をもらい、鈴木社長自ら水を配り続けました。
タレントの紗栄子さんや、地元の清水エスパルスも、断水で苦しむ静岡市民の声を聞き、水の支援に尽力しました。
静岡県でも、ようやく県内外から給水車28台を出動させましたが、全然足りずにさらに15台の追加要請。
やっと待ち望んだ給水車が来ても、困ったのが給水の容器がないこと。ポリタンクなどはあっという間に売り切れ、困った住民は「プラスチックの衣装ケース」や「ごみ用の大型バケツ」を買って水を入れるなど、水を運ぶのに知恵を絞りました。
最近では、防災袋自体が給水袋になっているものなどもあります。
1週間分の長期保存水を備蓄するのはもちろんですが、水の容器を用意することも忘れないようにしましょう。
人は、水がないと3日で死んでしまう生き物なのですから。
【さいたま市防災アドバイザー・加倉井誠】

無償で水を運んだ醤油会社 ハチマル鈴木義丸社長

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