コラム 色の世界① 「色の由来」

 私たちの生活は、さまざまな色の中にあります。それらの色の中には、「赤」や「黄」などと言った、私たちになじみのあるものが数多くあります。
 そうした色は古来より歴史の中で生まれ、そのときの時代や文化とともに生まれ、特に貴族たちが中心となって王朝文化を育んでいた平安時代に生まれたものが多いそうです。
「桜色」や「山吹色」「藍色」などといった自然や情景を思わせる感性は、日本人特有の繊細な情緒を感じます。季節によって表情の移ろいゆく山や草野といった自然の情景や、着物などを染める材料、地名など様々に色の由来があります。綺麗な色だと思うものを見かけたら、その由来を辿ってみるのもおもしろいかもしれません。
 さて、今日、色が「いろ」と呼ばれるのに、どのような由来があったのでしょう。色とは、そもそもは血の繋がりを表す言葉からきているといいます。
 その昔、兄を意味する「いろせ」と姉を意味する「いろね」から「いろ」という言葉が出来上がったとされています。当時は色彩を指すのではなく、血の繋がりが転じて、男女の交遊や関係や、女性の美しさを意味する言葉となりました。
 そうして時が経つにつれ、女性の美しさだけでなく、一般の美しい物の名称となっていき、美しい物=色鮮やかということから色彩という意味を持つようになったのだそうです。
 次回から身近な色についてとりあげていきますが、まずは「山吹」の由来について。お楽しみに。
 【金色野原】

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