色の世界 「勿忘草色」

 温かな陽気がようやく訪れてきましたね。
今月号が皆さんのお手元に届くころには桜は散っているでしょうか。桜色の謳歌が終わりを迎えようとしている時期はどことなくもの寂しさを感じそうです。
そこで今回は桜の美しさに後ろ髪を引かれる思いで勿忘草色を紹介します。

 同名の花の色に由来する可憐で明るい青色です。
ムラサキ科ワスレナグサ属の一種。ヨーロッパが原産で、春から夏にかけて薄い青色の小花をつけます。
ヨーロッパでは青い花が少ないことから神秘的な花として人々に愛されました。姫紫(ひめむらさき)や瑠璃草(るりそう)という別名もあります。

 明治期からの新しい色名で、「勿忘草」という名称は、ドイツの伝説に由来があります。
ある騎士が川のそばに咲いている花を恋人のために摘もうとして誤って川の流れに飲まれてしまう、そして騎士は「forget me not(フォーゲットミーノット=私を忘れないで)」と言い残して亡くなったとされ、この言葉から花が名付けられました。
花言葉の由来にもなっています。日本名もその和訳です。

 勿忘草の花は恋人たちの花ともいわれ、ヨーロッパでは4年に一度のうるう年の日に、恋人たちがこの花を贈りあう習慣があるようです。
花を贈ることに馴染みがないのは、ヨーロッパの風習だったからなんですね。
もしよかったらこれを機にちょっと試してみて、大切な思いに改めて触れてみるのはいかがでしょうか。
忘れないように。
【金色野原】

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