色の世界 「珊瑚色」

 すっかり夏日和になりました。
こういう時は夏らしい黄色系か、涼が欲しくて青色系か、考えまして、夏と言ったら海。海と言ったら珊瑚!
 という私の勝手な連想ですが、今回は珊瑚色をご紹介します。

「珊瑚色」とは、珊瑚に由来する色名であり、珊瑚を砕いた顔料がこの名前でよばれます。
珊瑚の種類により、明るい赤色や黄みがかった赤色、ピンクに近い赤色など様々な色合いをもちます。
英名にコーラルレッドがあります。明るい赤と定義されています。
珊瑚の赤が日本人の黒髪によく映えることから、髪飾りや簪かんざしなどの装飾品として古くから愛されてきました。
奈良時代に中国から伝わりましたが、皇族や貴族など一部の者しか手にすることしかできない、大変高価なものでした。
庶民にも広がるようになったのは江戸時代後期から。
日本は珊瑚の主要な産地であり、日本の珊瑚漁の発祥地である高知県は明治頃になると世界の珊瑚産業の中心地として発展していきました。

 珊瑚は、クラゲやイソギンチャクの仲間の刺胞動物門花虫綱に属する動物です。
固い骨格を発達させて宝石になるものや、サンゴ礁を形成するものなどがいます。
また、サンゴ礁は「海の熱帯林」とも呼ばれ、生き物たちの住処となって自然に恩恵をもたらしています。

私達の身の回りには当然ながら色で溢れています。
その色は「自然」の「命」そのものの色。
長い年月をかけて育まれるからこそ、美しさが際立つのですね。
【金色野原】

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