「小さなお話」応募作品⑦  「 元 荒川」(1)作:新井俊

元荒川にフナの親子がいる。
お母さんは息子を一人前のフナに育つようにと、
一生懸命食べさせていた。
立派に育ったフナの名前は清史郎。
高校の相撲部に所属していたのだが、
熱心に話をする親方に惹かれ入門が決まった。
仕度をして部屋に入門すると兄弟子全員がタヌキやクマだった。
魚は一匹もいない。魚は清史郎だけだった。
すると一匹の魚が部屋に入ってきた。
名前は小太郎、コイだった。
「おーい ぶつかり稽古いくぞ」「へい!」ばちーん!
タヌキの太鼓のような腹、
クマの力強さに清史郎は苦戦した。
うろこが剥がれ土俵に落ちる。親方が言う。
「痛いか?痛かったら郷里に帰れ」
(うぬ~負けるもんか…これが相撲の厳しさなのか…)    
– つづく-    
◎選者のコメント
「前作とは全く違ったハチャメチャな発想!
 引き出しをたくさんお持ちですね! フナの清史郎、コイの小太郎、
立派なお相撲さんになれるでしょうか。」

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


Warning: Undefined variable $user_ID in /home/c5894747/public_html/iwatuki.raunzi.com/wp-content/themes/opinion_raunzi/comments.php on line 159

無料イラスト素材【イラストAC】

アーカイブ

お勧め記事

  1. 「蓮の花火」という題がついています。くるくると回る同心円が見えてくる、いくつもつながって響きあってい…
  2. 2025/8/17

    岩槻川柳会
    近詠作品より 頑張らない 介護ゆるめの 長期戦                       堀江…
  3. 2025/8/17

    今月の短歌
    しきなみ短歌7月例会の高点歌(4首) アルプスと れんげ田続く 安曇野は  我の故郷 原風景なり…
  4. ◆8月号(平均の速さの問題) 岩槻駅から時の鐘までお出かけしようと思います。行きは分速60mで進み…
ページ上部へ戻る