元荒川にフナの親子がいる。
お母さんは息子を一人前のフナに育つようにと、
一生懸命食べさせていた。
立派に育ったフナの名前は清史郎。
高校の相撲部に所属していたのだが、
熱心に話をする親方に惹かれ入門が決まった。
仕度をして部屋に入門すると兄弟子全員がタヌキやクマだった。
魚は一匹もいない。魚は清史郎だけだった。
すると一匹の魚が部屋に入ってきた。
名前は小太郎、コイだった。
「おーい ぶつかり稽古いくぞ」「へい!」ばちーん!
タヌキの太鼓のような腹、
クマの力強さに清史郎は苦戦した。
うろこが剥がれ土俵に落ちる。親方が言う。
「痛いか?痛かったら郷里に帰れ」
(うぬ~負けるもんか…これが相撲の厳しさなのか…)
– つづく-
◎選者のコメント
「前作とは全く違ったハチャメチャな発想!
引き出しをたくさんお持ちですね! フナの清史郎、コイの小太郎、
立派なお相撲さんになれるでしょうか。」
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