12月21日(土)に当校3年生によるイベントを春日部市武里「わたしの基地」で開催した。
このイベントは「課題研究」という授業で生徒が企画・運営して実現した。
商業高校における「課題研究」は、自ら課題を発見し、解決策を探求して創造的に解決することを目指す。
生徒が自発的・主体的に学ぶ、変化が目まぐるしい現代だからこそ必要な学びだ。
このなかの講座の一つ「岩商まちづくり協力隊」は今年度4月からスタートした。
岩槻内外の事例を調べ、マンダラチャート等で整理していく。
岩槻にも関わりが深い、リノベーションまちづくり会社80%の荒木さんに特別講義をしていただき、空き家問題について考える機会をいただいた。
そのうちに生徒自身が考えた四つのプロジェクトが生まれた。
そのうちの一つが今回のイベントを企画した保護猫プロジェクトである。
生徒たちは保護猫活動をしているカフェが岩槻にあることを知り、取材をお願いした。
それが「おうちカフェ タマコチ」である。ハンドメイド雑貨などが並ぶカフェを営みながら、保護猫活動に精力的に取り組んでいる。
「猫の命を救えたときにはやっていてよかった、と感じる。
ただ、保護して翌日に亡くなってしまう経験もあったし辛いこともたくさんある。
この活動は命と向き合うことなんだ」と教えていただいた。
TNR(地域猫の活動)を知らずに心無いことばを耳にすることもあるという。
生徒たちにとって、初めて聞く生の声。自分たちには何ができるのかを自分ごととして考えるようになった。
「猫と人が共に生きることができるまちにしたい」という想いが高まっていった。
岩槻外部の人にもタマコチさんのこと、地域猫活動のことを知ってもらおうと、「わたしの基地」の1階カフェスペースをお借りしてイベントを企画した。
作成したチラシや新聞を配布し、売上を活動費にしてもらおうと缶バッジを作成して販売。
資料を投影して説明したり、子どもが来た時には猫の絵本の読み聞かせを行った。
「わたしの基地」のメンバーには保護猫団体での活動をされている方がいて、貴重なお話を伺うことができた。
生徒からは「授業を選んだ当初は楽しそうだからと軽い気持ちで選んだ。
しかし、入ってみると他のどの内容よりも奥が深く、自由であるが故に相応の責任が伴うと感じた。」「まちには普段生活しているだけでは目に入らない課題が多くあることを知り、より多くの人に知ってもらいたいと考えるようになった。」という感想が寄せられた。
まちの人たちと関わる子どもたちの姿には感慨深いものがあった。
【岩槻商業高等学校教諭・菊池紫鶴華】
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