春が過ぎて初夏が近づいてきましたが、最近は夏が急に来たかのような暑さと思えば雨が降れば肌寒く、天候は落ち着きがありません。
皆さん具合はいかがですか?

今回は萌黄色(もえぎいろ)を紹介します。
植物が芽ぶくことを「萌え出る」と言うように、春先に萌え出る若葉のような、冴えた黄緑色のことです。
【萌黄色】の名前の由来は、芽吹いた葉の色から来ており、水分をたっぷりと含んだみずみずしさ、柔らかさが感じられる色です。

伝統ある色名で、『萌木』とも表記します。新緑の若木の色であり若さを象徴し、平安時代では若者向けの色として愛好されました。
日本独自の美意識が誕生したこの頃。
宮廷に仕える女房装束は、袿(うちぎ)を何枚か重ねてまとい、配色を「襲(かさね)の色目」と呼びました。
日本の四季を取り入れた繊細な配色により、緑の葉の変化を追って、発芽、開花、青葉、落葉など、四季をさまざまな色で表現して、まといました。【萌黄色】には植物が伸びていくような生命の躍動感が感じられることから、鎌倉時代の『平家物語』では、若武者のよろいの色として使われています。
芽生える命の喜びを感じさせる春の色として愛され、エネルギッシュな若さを表し、子どもの成長を願う色としても、現代においても七五三の祝着や五月人形にも使われることも多いです。
自然が生み出す緑色に対して美しさや力を感じる背景には日本ならではの文化が根付いていたのですね。

「金色野原」

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