ともちゃん地蔵ってなぁに ⑪

満洲農業移民百万戸移住計画

「満蒙開拓」とは、1931(S6)年の満洲事変から1945(S20)年の敗戦までの間、日本人を入植(開拓)させた、国策移民事業。

 満州農業移民事業は、農村における 土地不足・過剰人口の解決を目的として、満州国に100万戸・500万人を移民させる計画であった。(※1)

 移民用地として、一戸当たり10町歩として、計1,000万町歩(1,000万 ヘクタール)として計画された。
その取得地は、現地住民から、1割にも満たない不当に安い価格で強制的に買収したもので、未開地の荒れた大地を開墾したものではなかった。(※2)さらに住居を追い出して家まで奪って開拓民に用意した。

このため、『欧米列強は、財産を強奪していくが土地までは持って行かなかった。
日本は土地も含め根こそぎ奪っていった。』と現地住民から恨みを買った。
満蒙開拓団(※4)としていけば、兵役免除になるし、渡航費の全額補助や、農具や家畜などの補助金も出た。(※3)
さらに、国から割り当てられた人数を送り出すと村に補助金がはいる仕組みになっていたので、村や県でも積極的に勧誘した。

※1:当時日本には小作貧農が200万戸あった。この飢餓農民の半数を、満洲に移住させ、満州国の人口の一割に相当する500万人を日本人で占めるというものであった。ただしこれは、小作貧農の飢餓状況を出現させている農地不足の根本的原因が、地主的土地所有(小作農)の存在であることを失念している理論であった。この問題は、戦後の『農地解放』によって解決されることになる。
※2:柏崎開拓団など、一部例外的(本物の開拓)に未開地を開拓するなどのところもあった。
※3:チラシを読むと、一戸につき1000円(現在の価格で100万円ほど)その他諸費の便宜ありとある。                                         ※4:「満蒙」の「満」は満洲(中国東北部)、「蒙」は内蒙古をさす造語。
【ホタルの会・新井 治】

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