アタック2日目。前日に地上約200mまで高度を上げた我々は、そこからさらに上部を目指しました。
朝から快晴で、東壁は朝陽を受けて明るく照らされていました。
この日は順調に進み、3日目には稜線まで残り約120mの地点まで到達しました。
予定では4日間のアタックでしたが、ここまでの進行を考えてもう1泊分の水と食料を食い伸ばし、翌日の登攀に備えます。
そしてアタック4日目。ここからルートの難易度が一気に上がりました。
最初に現れたのは、身体が入るほど幅の広いワイドクラックです。
通常のカム(岩溝に設置する登山用支点)が効かないほど広く、岩に身体を押し込みながら登る必要があります。
鈴木がリードし、細かな割れ目や小さな凹凸を拾いながら、少しずつ高度を上げていきました。
今度はさらに大きなチムニーが現れました。濡れた煙突の内部のようで、ホールドも皆無、約20mにわたってほとんど安全確保ができません。落ちればタダでは済まない状況でした。
このチムニーと約3時間格闘し、ようやく突破しました。しかし、その先にも濡れた岩と氷が詰まったルンゼが待っていました。
中嶋が先行しましたが、濡れた岩で足を滑らせ、これ以上進むのは危険と判断。鈴木が交代し、ハンマーでクラック内部に張り付く氷を削って足場を作り、慎重に進みました。
さらに上では再びカムの効かないチムニーが現れ、日没も迫っていました。3人とも疲労は限界に近づいていましたが、少しずつ前進を続けます。
その日は最後の核心を抜けきれず、翌朝まで持ち越すことになりました。
翌朝は激しい雨でした。それでも残りの区間を登り切り、ついに稜線へ出ました。最後の10m、美しいクラックを超え、ついに山頂へ到達しました。
雨と強風で周囲はほとんど見えませんでしたが、3人全員が頂上に立つことができました。
こうして我々は地球の裏側、パタゴニアのセロコタ東壁に新しいラインを完成させ、「Echoes in the Dark」と名付けました。
寒さで震えながらも互いに声を掛け合って下降に取り掛かります。そして、なんとか日があるうちに取り付きまで戻ることができました。
未知の登攀は、5日間にわたる厳しいクライミングの末、山頂到達と新ルート開拓という最高の形で終わり、僕たちは疲弊し切ってベースキャンプまで降りてきました。
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価格:2920円 |
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