加倉の古刹と鎮守様佐藤里枝
岩槻区加倉1丁目にある浄国寺は浄土宗のお寺だ。旧16号線から参道に入ると静かな緑の空間が広がっていた。季節は若葉から青葉に変わってきた。アジサイが続く参道を行くと、高い木立を背景にどっしりとした唐破風門が見えてきた。門では何人もの職人さんが忙しく働いていた。東日本大震災で傾いてしまった山門を直しているそうだ。どっしりとした本堂の大棟には葵の紋がついている。ここは江戸時代、学僧たちの修業の場だったそうだ。今では、寺に併設する幼稚園の園児たちの声が響いている。前庭のモミジの青い葉が風に揺れている。手入れが行き届いた庭の一隅に、一時期この寺に住んでいた歌人大西民子の歌碑があり、側に植えられた白い紫蘭が歌人を思わせた。奥の墓地に進むと、ここを菩提寺とした岩槻藩主、阿部正次らの五輪塔が目を引く。あちこちに古い墓石が立ち並び、江戸時代にタイムスリップしたかのよう……。通りに戻り、西に進むと、赤い鳥居が見えてきた。加倉の久伊豆神社は道路の側にあり、社殿の間近を車が行き来している。明治5 年村社となった頃とは大違いであろう。境内には庚申塔や力石がある。神社は稲荷社、宗像社などが合祀されている。「それぞれの神様が加倉地区・加倉の人々をお守りくださっております。久伊豆神社は加倉の鎮守様(氏神様)です」と書かれた案内板に心暖かいものを感じた。(第2 回)
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