川口市の鳩ヶ谷地域を通る御成街道を北へ向かう。坂下町から鳩ヶ谷本町に入る所に吹上橋がある。橋の下を流れるのは見沼代用水(東縁)だ。この橋の北袂の両側に鳩ヶ谷の一里塚があったというが今はない。この場所は低地と台地の境目である。ここまでは平坦な道で橋を渡れば上り坂である。見沼代用水の流れと一里塚の榎(えのき)を見て旅人は一息ついたことだろう。橋の南側に案内板がある。江戸時代の街道を描いた日光御成道分間延絵図(ぶんけんのべえず)や、用水で子どもたちが泳ぐ姿を写した昭和初期の写真などが目を引く。この地は旅人や地元住人にとって大事な場所であった。橋を渡り長い御成坂を上っていく。鳩ヶ谷宿は坂の町だ。街道をさらに北上する。戸塚4丁目の信号の右側にポケットパークがある。かつて戸塚の一里塚があった所だ。今は塚はないが記念の地として案内板や庭などが整備されている。東塚には松、西塚には榎があったという。案内板の日光道中絵図に描かれている。川口市からさいたま市緑区に入るとすぐ右手に貝殻坂がある。御成街道は坂を下りないで真っ直ぐ行く。東側に広がる低地と高台の縁を通る街道の高低差が大きい。東に筑波山、北に男体山などの日光連山が見え眺望抜群だ。旅人は景色を眺めつつ歩いたことだろう。ここは大門宿の南端だ。宿場には本陣の表門と脇本陣の表門が残っている。(第34 回)
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