「岩槻八景」は、明治一八年(一八八五)、旧岩槻藩士らによって、廃城となった岩槻城の姿を再現し、描いたものです。中国の「瀟湘(しょうしょう)八景」をもとにして描かれた「近江八景」に倣い、城内の景勝地の八景を描いています。資料館に収蔵されている「岩槻古城八景」は平成二八年度に展示を行いましたが、今回一月二〇日(日)まで市内に残るもの三点を加え、五点を展示しています。今回新たに展示したものは、市内の方が所有するもので、二点は屏風仕立て、一点は額装になっているものです。いずれも、城内にあった八つの景勝地を描いた「城口晩鐘」、「鵜首夕照」、「米蔵跡落雁」、「高台秋月」、「車橋晴嵐」、「樹木廓夜鵜雨」、「船入口帰帆」、「茶屋台暮雪」に、「二本杉道灌箸立杉」と「岩槻城周辺の図」が加わった一〇枚から構成されています。屏風仕立てのもの二点は、八景それぞれの色彩が残っており、保存状態は良好といえます。額装のものは、一〇枚の絵を一つの額に収めたためか、それぞれの周囲が切り詰められているような状態です。このほか、「岩槻古城八景」の経緯を記した「岩槻古城八景歌集」を集録する「岩槻和歌集」(写本)、「岩槻古城八景」と同様に明治になり廃城となった岩槻城をしのび、明治一三年(一八八〇)に旧藩士が描かせた岩槻城の絵図も展示しています。今回初めて、複数の「岩槻古城八景」を一堂にご覧いただく機会を設けることができましたので、ぜひ岩槻郷土資料館に足をお運びいただき、岩槻城の姿をしのんでいただきたいと思います。
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