今回は淨国寺のムクノキです。雌雄同株の落葉高木で、加倉の淨国寺の山門左側10m程の所の垣根の中にあり、幹周り3・59mの巨木です。樹齢は180年〜230年と推定しています。淨国寺にはもう一本ムクノキの巨木(幹周り3・21m)が、少し先の岩槻城主阿部重次の奥方正寿院の供養塔の左側にあります。ムクノキの葉は表裏とも剛毛が生えているためザラザラしていて、紙ヤスリのようになっています。このため、乾燥させた葉を木工製品やベッコウ細工、象牙製品の研磨仕上げに利用していました。また、特徴のある根元を見ることがあります。根元が一部板状に張り出し、特異な形状になっています。これは高木になる樹体を支えるため、根元の一部が外側に張り出したもので、「板根(ばんこん)」と呼ばれています。名前の由来は、①幹を木製品の材料にしたり、葉を研磨に使用するので、「木工の木」からムクノキ。②ムクドリが実を好んで食べるのでムクノキ。③老木になると樹皮が剥がれるので、「剥く木(むくき)」からムクノキ。といくつかの説があり、定かではありません。秋になると、黒い大きさ1cmぐらいの丸い実がたくさん成ります。これが結構甘くおいしいので、ムクドリの大好物です。樹形や葉の形がケヤキに良く似ていて判別が難しいことがありますが、老木になると樹皮が小判状に剥がれるケヤキと、短冊状に縦に剥がれるムクノキで違いがあります。また、ケヤキは板根になることはほとんどありませんが、ムクノキはよく板根になるので区別がつきます。【森林インストラクター・桂幸一】
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