The October Suite【ジャズ壱】

今月はMy FavoriteAlbum の紹介です。
「十月組曲」スティーブ・キューン(ピアノ)とゲイリー・マクファーランド(作・編曲)彼の作曲と指揮による、六曲の小作品集で秋の心象風景を音楽にした、何とも素敵で、音楽で秋の季節感が味わえる作品です。
彼のアレンジはカテゴリーにとらわれないさまざまなリズムを採用し、楽器編成やハーモニーのユニークさも特徴的で、スイング・ビートが根底にあるが、ノンビートやワルツ・タイムを駆使して短調さを避け、編成上では、A面にはストリングス(チェロ・ヴァイオリン)B面には木管(オーボエ・クラリネットなど)と変わった編成で、ジャズでは珍し構成だ、一般的なストリングスの甘美なイメージからかけはなれた、アバンギャルドで現代音楽を感じさせる。
スティーブ・キューンという叙情派の介在で、彼の耽美的なコンセプトはますます理想に近い形で表現されている。
彼はあらゆるアイデアを盛りこみ、その実験作を具現化している。
そのアイデアはモードの使用による短調でも長調でもない不思議なムードの出現、記譜部分と即興部分の自然な結合、変拍子などである。
しかし、実験だから何でもあり、または、高踏的で理解不能というのではなく、アルバムとしての統一されたコンセプトがしっかりと貫かれており、実験と同時に完成された純鑑賞音楽としても十二分に成りたっているところが驚きだ。
秋深まる、茜色に染まる秋の風景がイメージでき、音符の少ないシンプルなフレーズながら、強弱の巧みな使い分けと、陰影に富んだ幻想的な音世界を演出している。
この秋に聞いてみてはどうでしょうか。

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