岩槻郷土資料館だより87 「新収蔵品展」

 岩槻郷土資料館では、九月二六日(木)~一〇月二〇日(日)まで、「新収蔵品展」を開催します。
ここ数年、資料館に寄贈された資料は百点余りあります。今回、こうした資料の中から整理の終わった資料を公開していくものです。
今回展示する資料には「旧相野原所在板碑」「色紙」「老談岩槻聞記」などがあります。
これらの展示資料のうちいくつかについて、紹介していきます。

「旧相野原所在板碑」は一〇点があります。
「ら・みやび660号 岩槻郷土資料館だより№82」でも紹介したように、鎌倉時代の終わりから南北朝時代にかけてのもので、大きさは七〇㎝程、近い年号をもつ一群で、特徴的な板碑群です。個人墓地に所在していたもので、平成三年の岩槻市教育委員会による調査の際に確認されたものです。

 「色紙」は一〇数点あります。このうち二点は「西澤笛畝」によるものです。
西澤笛畝は日本画家であると同時に人形収集家としても知られ、岩槻人形博物館にそのコレクションの一部が収蔵されています。
色紙の一点は、内裏雛を描いたもので、 もう一点はアザミの花を描いたものです。
内裏雛は岩槻との関わりが感じられるものです。その他「結城素明」「佐々木京林」といった日本画家のものもみられます。

 「老談岩槻聞記」は、岩槻城築城や周辺での戦いなどの様子を聞書きの形で表した軍記物語的なもので、「上・中・下」の三巻からなります。同様の内容をもつものがいくつかあるようですが、岩槻城築城伝説などを知ることのできる貴重な史料です。

今回展示するものは、安政六年(一八五九)に市内見沼区の人物によって写本されたもので、さいたま市内の人物による写本としても重要なものといえるでしょう。

この他、関東大震災の様子を掲載した「写真時報」や「歴史写真」、最近のものが多くみられますが、「絵馬」などを展示する予定です。岩槻に関わる資料が中心となりますので、是非ご覧いただきたいと思います。     

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