ある日、清史郎の母が病気になってしまった。
「いったん郷里に帰らせてもらいます」 「うむ、すぐ戻ってこい」
母ちゃん、母ちゃん… 川にもぐると母が布団に横たわっていた。
「母ちゃん大丈夫かい」
「清史郎…ばかたれ!母ちゃんはいいからすぐ稽古におもどり!」
清史郎は涙をのんで部屋へ戻り、親方に呼び出された
「お前にしこ名をつける。お前は元荒川だ。」
「小太郎も来い。小太郎お前は大荒川だ。」
「相撲界初の魚力士として二人で荒川時代を作ってくれ!たのむぞ!」
元荒川はうれしさで涙があふれ、大荒川はかみしめるような顔をした。
いよいよ初土俵だ。クマやタヌキの先輩力士が作るちゃんこの味にも慣れてきた。
初土俵当日、元荒川は国技館の席を見渡した。「母ちゃん来てないかな~。
まだ布団で苦しんでいるのかな… よ~し初勝利を母ちゃんにささげるぞ!」
塩をつかむ。塩の荒さに背中をおされる手をついて ハッケヨイ! のこった~!
ワーワー!ワーワー!
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「親孝行な清史郎と小太郎の、横綱を目指す荒川時代の幕開け!はっけよーい、のこった!!」
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