元荒川の河川敷に、葉を落としたまま枝を伸ばし、大きく手を広げているかのような同じ種類の大木が二本そろって対になっているように生きている。まるで夫婦のようにさえ感じる姿である。通りすがった2人の方に、「これは何という木ですか?」と聞かれたが、答えることができなかった。どうやら2人とも絵を趣味にされているようで「春になったらこの2本の木を描きにもう一度来たい」と話していた。たしかに枝が広がる姿を見ても、立派な夫婦の大木である。人も通らない河川敷内で、これだけ立派に育って残っているのも元荒川の護岸整備が進まずに自然が残せている証しでもあるのだろう。この2本の木に大きなしめ縄でも掛け渡して元荒川の環境を活かして工夫してみるのはどうだろう。そうすれば、きっと神聖なパワースポットとして観光客に注目されるのも夢ではないとも思える。ある地域では、増水時の障害になるとの理由から地域で親しまれていた大木が、河川敷内である理由から住民たちの知らぬ間に伐採処分されてしまったという話も聞いた。数十年、数百年の年月を重ねて残された地域の資産は、違った視点から光を当てれば貴重な観光資源になりうる。身近にある当たり前と思っている地域資産を活かすためには、視点を変えてみる工夫が必要かもしれない。岩槻には歴史や文化、自然、民芸などの資産が数多く点在している。【編集部・奥山】
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