にこにこ日和 「葉桜の頃」

私たちは、今という瞬間を生きています。
今、自分の浮かんだ思いを、そのまま言葉にすることが、とても困難な社会になっているように感じています。
私たちが、心に描く思いの形は無限です。
自分自身の記憶や誰かの心と繋がり合っているように私は思うのです。
ぽたり、ぽたりと、落ちてくる雫のよう。
風が吹けば散っていく、桜の花片のよう。
何の前触れもなく、降ってくる雨のよう。
雨上がりの空に映る虹のスペクトルのよう。
私が生きる世界は、善と悪、肯定と批判、白と黒のモノクロの世界ではありません。
例えば、虹の色は、日本では一般的に7色であるといわれています。
しかし、物理学の視点では、そこには無限の色の繋がりがあるのです。
太陽光のスペクトルは連続していて、連続する物を「数える」事はできないから、そこに、無限の世界が生まれるのです。
私が生きる世界は、善と悪、肯定と批判、白と黒だけのモノクロームの世界ではありません。
桜は、花芽のままで眠りにつき、秋に葉が落ちたあと、冬の寒い空気にさらされ徐々に眠りから目覚めていく。
その後、気温がだんだんと高くなると、花芽が大きくなって、ちょうど春に、花が咲くのだと言います。
私は、葉桜に変わる頃の花と葉の彩りに生命の美しさを感じます。

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