命と暮らしを守る NHK緊急報道

2011年の東日本大震災。成田と羽田の両空港が閉鎖となったため、国際線だけでも70機以上が代わりの飛行場を探して大混乱となりました。
国内の空港だけでは足りずに、横田基地やアンカレッジ、グアムの空港まで使い、燃料が切れる前に全機が無事に着陸できました。
それは国内線も同様で、日本語がわかる機長たちは機内でNHKラジオを聞き、災害の状況を把握しながら管制塔と交信して代替空港を決めたそうです。
NHKは地震発生の2分後から、テレビ、ラジオの全ての波で臨時ニュースを開始。
総合テレビで全国放送した震災関連のニュースや番組は、1か月間で571時間52分にのぼりました。
なぜ、NHKはこのような迅速かつ集中的な報道ができたのでしょうか。
実は、NHKは災害対策基本法で報道機関として唯一、指定公共機関に定められているからなのです。
「いざという時の公共放送」という使命を果たすため、NHKはいつ起きるかわからない大地震や津波に備えて、東京・渋谷のニュースセンターでほぼ毎日、緊急報道の訓練を続けています。
一人でも多くの命を救えるよう、津波警報が出た時の避難の呼びかけや、画面の表示も日々改善。
一昨年の台風19号の際は、「実家の両親に一声かけて」と記者がわかりやすく対策を呼び掛け、大きな反響がありました。
2021年3月には、全国に約2400ある郵便局から災害時に映像を提供してもらう協定を日本郵政と締結。
さらに国交省が設置する全国3500か所の河川映像カメラ映像を、ニュースセンターに引き込む作業を進めています。
また、首都直下地震などの大規模災害発生時に備え、東京・渋谷の放送センターの代替機能を図るため、大阪局を強化。地域情報発信の充実もめざし、大阪局制作の番組「列島ニュース」などで、大阪と地方局を結ぶ全国放送を開始。
首都機能が長期間停止しても、大阪から放送できる体制を整えています。
さて、読者のみなさんは本気で災害に備えていますか。
まず毎年の避難訓練を惰性でするのではなく、「夜間」に実施することをおすすめします。
真っ暗な夜に、電気をつけずに懐中電灯やランタンだけで訓練をやってみてください。
大変ですが、避難所が設置されるのはまさにそんな時なのですから。
【さいたま市防災アドバイザー・加倉井誠】

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