今回は元荒川のアカメヤナギです。雌雄異株の落葉高木で、国道16号バイパス元荒川に架かる岩槻大橋の春日部側下流20m程の河川敷にあり、幹周り3・98mの巨木(雄株)です。樹齢は150年〜200年と推定しました。アカメヤナギは漢字で「赤芽柳」と書き、新芽や若葉が赤味を帯びるため付いた名前です。柳の名前は、昔弓矢の矢を作る材料となった「矢の木」から転じてヤナギとなったという説が有力です。一般的に柳の葉は、シダレヤナギに代表されるような細長いものと思われていますが、樹木図鑑に載っているヤナギ属30種のうち細い葉17種、広い葉13種となっていて、約6対4の比率で細い葉がやや多い程度です。アカメヤナギは別名マルバヤナギとも言われ、広い葉の代表です。ヤナギ属の実は成熟すると、実が割れて綿毛に包まれた小さな種子(柳絮(りゅうじょ)と言います)がフワフワと風に運ばれていきます。中国の北京では、この柳絮が飛ぶと春が来たと感じるそうです。しかし、この種子は非常にデリケートで、寿命が約1週間程度と短く乾燥に弱いため、日当たりの良い湿った裸地に着地できないと発芽できず、運よく発芽できたとしても成長期に乾燥状態が続くと生存できないそうです。元荒川の河川敷にはアカメヤナギの大木が点在していますが、これは川の水面に落下した種子が流れに身を任せて、流れの安定した水際部に定着したものと思います。このような場所であれば、乾燥することがないため順調に成長できたのでしょう。【森林インストラクター・桂幸一】
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