岩槻郷土資料館だより㊷ 「岩槻のダルマ」

木型に紙を重ね貼り、乾いてから型を抜き取って作ったものが「張り子」であり、その一つに「ダルマ」があります。
「ダルマ」は禅宗の開祖「達磨大師」の坐禅姿を表したものといわれ、開運の縁起物として、各地で作られています。
岩槻区は、越谷、春日部と共に「ダルマ」の産地であり、この埼玉県東南部で作られているダルマは「武州ダルマ」と呼ばれています。
越谷がその始まりであったとされ、また生産の中心地であることから「越谷ダルマ」とも呼ばれています。
群馬県で生産されている「上州ダルマ」が男性的であるといわれるのに対し、「武州ダルマ」は、鼻筋がとおり、優しい表情をしているため、女性的といわれています。
ダルマの形は細長いものでしたが、「上州ダルマ」の影響を受けて、丸くなったようです。
岩槻区では、尾ヶ崎、末田、浮谷、村国などで作られていましたが、現在は二軒となり、機械化による大量生産に代わり、手貼りから真空成型になっています。
こうした「ダルマ」は、各地のダルマ市などで売られました。
岩槻区では、加倉の金比羅神社で毎年二月一〇日にダルマ市が開かれ、現在でも「ダルマ」は午前一〇時頃から午後二時頃まで売られています。
かつては多くのダルマ商が出て午前〇時から正午頃まで売られ、遠くから来る人も多く、にぎわっていたようです。
岩槻では、雛人形だけではなく「ダルマ」や「張り子人形」の製作が行われ、かつてはもう一つの人形文化があったことがわかります。
今では、少し姿を変えてきましたが、引き続き行われています。

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