岩槻郷土資料館では、10月12日(土)から11月24日(日)まで企画展「大岡家墓所からの出土品」を開催しています。これは東京都港区の湖雲寺の発掘調査で確認された岩槻藩最後の藩主大岡家の墓所から出土した資料を展示しているものです。調査では、たくさんの資料が出土し、現在遺物整理を行っているところです。今回は墓誌、陶磁器、石製品など八〇点程を展示しています。ここでは、この中からいくつかの資料を紹介します。陶磁器には、京焼、有田焼、肥前焼などの蓋物や碗などがあります。また前回も紹介しましたが、小型の皿、擂鉢、土瓶、鉢、把手付などの器物が見られ、幼くして亡くなった子どもたちへの思いが感じられます。第二代藩主大岡忠喜墓所と第六代藩主嫡男墓所の硯には、海の部分には内包物が残されており、生前使用されていたものをそのまま埋葬したようにみえます。また第六代藩主嫡男墓所の硯は五連になっており、それぞれに顔料が残され、絵画等に使用されたものでしょうか。第二代藩主大岡忠喜息女墓所からは黒漆や赤漆に金蒔絵の見られる箱、蓋物などの漆器が見られました。こうした漆器や木製品などは、現在のところ保存処理などが十分に行われておらず、展示ができる状態ではないため、何点かを写真で展示しています。この他、「御供目付勤方帳」「中小姓勤向心得控帳」の二点の資料は、江戸城へ登城の手順・道順、その時の御供の人数、服装など藩主大岡忠固に御供した際の動向を記録したものです。この中には、湖雲寺へ参詣する際の御供の人数、参詣の仕方、心得などが書かれ、その際の様子が分かるものです。今回はマイクロフィルムからの複写ですが、参考資料として展示しました。今回の展示では、遺物整理を行っている所であり、展示ができる資料は限られていますが、これらを通して、そこに込められた思いなどを見ていただければと思います。
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