岩槻郷土資料館では「こけしの美」と題し、さいたま市立博物館に所蔵されているこけしの展示を四月一九日(日)まで行っています。今回展示しているこけしは、市内に住む方の蒐集品で、かつて市立博物館に寄贈をされものです。 こけしはロクロを使ってつくられた東北地方の郷土玩具で、東北地方の山間部に沿って、多くの産地が分布しています。円筒状の胴部と球状の頭部の形態を示すものが一般的なものですが「えじこ」と呼ばれる独特なものも見ることができます。この「えじこ」とは東北地方に見られる乳幼児を入れておく、わら製のかごのことで、そこに入った乳幼児の姿をつくり出した玩具をそのまま「えじこ」と呼んでいます。東北地方のこけしの産地の多くで見られるものです。一般のこけしのように頭が動くものや乳幼児の部分が取り外せ、蓋になり、中が空洞で容器状になるものもあります。また、「ねまりこ」と呼ばれる高さ七~八㎝で裾が広がるものがあり、これは宮城県鳴子独特のものといわれています。「ねまる」は「すわる」の方言で、「坐り子」とも書かれたようです。この「ねまりこ」は「えじこ」の変形と考えられています。原則的に直胴の形態を示すものを「こけし」と呼ぶようで、これらは「こけし」の範疇に入らないとされています。今回の展示では、こけしをつくった同じ作者が同じような技法でつくったものであり、一般的なこけしとともに展示しましたので、その愛らしい姿もご覧いただきたいと思います。
◎お知らせ岩槻郷土資料館は3月15日まで臨時休館となります。お問い合わせの上でご来場下さい。 048-757-0271
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