いつもお読みいただき、ありがとうございます。クライマーの鈴木雄大です。
今回は、先月の印象的な出来事を紹介したいと思います。
6月末、後輩の早稲田大学山岳部の新人合宿へ参加してきました。
今までの寄稿では話題にあがりませんでしたが、私は卒業後、この部活のコーチとしても活動しているのです。
新人合宿は、雪解けの終盤、この時期に行われる、主に1年生の登竜門のような合宿です。
まだ残雪の残る穂高岳の麓、涸沢にて、初めての雪山経験を積んでもらいました。
まず初日は、30キロ以上にも及ぶ巨大なザックを背負い、上河内から横尾、涸沢へと、移動距離10キロ以上、高低差1000メートル程度の長いパートとなります。
毎年の恒例で、ここは本格的登山が初めての一年生には非常に堪える行程です。
汗を垂らしながら、牛のように、10時間以上かけて登っていました。
辿り着いた先は絶景の涸沢。
標高は2500メートル近くになり、真夏でも涼しく快適に過ごせます。
ダウン一枚では、朝晩は結構寒いくらいでした。
ここに1週間籠り、アイゼン(登山靴につける金具)の雪面への蹴り込み方や、スノーバーと呼ばれる雪に刺して安全確保をする道具の使い方を習熟させ、これからの一年間に向けて基礎技術を習得してもらいます。
単純作業ですが、基礎固めが未来の難しい山への礎となると伝えてきました。
学生のみんなも一生懸命に取り組んでくれ、合宿最後には、憧れの奥穂高岳に登頂して、良い笑顔で涸沢のテントを撤収しました。
私も一回り下の18歳〜22歳の学生の必死な姿に、刺激をもらう良い合宿となりました。何かに真剣に取り組むって素晴らしいことですね。
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