日常生活がままならなくなる 「高次脳機能障害」

今回は「高次脳機能障害」をご紹介します。
耳慣れない名称かと思います。
誰しも成る可能性があることでもありますので、頭の隅にでも入れておいていただけたら、お役にたつことがあるかもと思うのです。
 「高次脳」という言葉で示されるのは、人の脳の中で行われている複雑な情報処理機能のことです。
例えば、「お茶を入れる」とき、茶筒のフタを開け、お茶葉を適量急須に移し、お湯を注ぎ込み、急須の蓋をして、茶碗に注ぐと、まぁ、簡単に述べても多くの工程があります。
高次脳機能障害があると、障害をもつまでは、普通にできていた「お茶を入れる」という行為をしようとすると、できないことがあります。
高次脳にはいろいろな機能がありますので、どこが障害されるかによって、できなくなることは様々なのですが、物事の順序を計画している機能が障害されていると、手の指は普通に動かせるし、感覚にも異常はないが、お茶を入れようとするとできないことが起こりうるのです。
 具体的にどうできないかと言うと、お茶葉をそのまま茶碗に入れようとしてしまったり、茶筒にお湯を注いでしまうという、え〜っ?と驚くような、障害をもつ前であれば、考えられなかった行動をとってしまい、飲めるお茶を最終的に入れることができないのです。
シャツを着ようとして、上下さかさまに腕を通してしまうことも起こりえます。
 高次脳の機能には、物事の工程を適切に組み立てることや、衣類と身体の位置関係を認識し正しく合わせるというような、複合的な情報処理の機能が含まれます。
記憶が障害されることもあります。
高次脳機能障害の人は、その症例が少ないことに加え、見た目では、どこが障害されているかわからないこともあって、自分の意思や努力ではどうにもできない障害であるのにも関わ
らず、周囲の人に理解されず、怠けているとか、いい加減な気持ちでやっているのではないかとか、あらぬ疑いをかけられて、辛い思いをするということが多いようです。
 脳卒中の後遺症として残ることもありますし、事故などで頭部外傷の結果、残ることもあります。
だとするならば、誰でもなる可能性があるということです。
もし、身近に、高次脳機能障害がある方がいらっしゃいましたら、その人の生きにくさ、口惜しさ、不自由さに思いを馳せ、必要な支援をしていただけたらと思います。
【愛風・久毛】

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