日本工業大学で学ぶ台湾籍の留学生・陳鈞鴻氏が研究した「伝統工芸を活かした文化的な交流のための場づくりの構想~さいたま市岩槻区における江戸木目込み人形製作所の拠点施設~」と題する修士論文発表会が、2021年5月11日(火)にぎわい交流館いわつきで行われた(主催は、同大学佐々木研究室)。陳氏は、台湾新竹市の出身。台湾で日本式家屋の再生に興味を持ったことがきっかけとなり建築を学び始めた。日本語を1年間学び、2年前に日本工業大学大学院工学研究科で建築デザイン学を専攻。同大学の建築学科で佐々木教授の指導を受けて研究を重ねてきた。岩槻を研究対象とした理由は、さいたま市が岩槻で商家のリノベーションに取り組んでいたから。また、伝統的な人形産業に関心を持ったのは、出身地の新竹市にも伝統的なガラス細工産業があったのも影響していたという。研究を進めるにあたり、岩槻にも足繁く通い人形事業所を回った。発表会に参加していた人形事業所の方は「ともかく熱心に通っていた」とその様子を伝えた。ときには、岩槻工業団地事業協同組合の例会にも参加したと言う。発表内容では、岩槻における江戸木目込み人形の製作と体験に着目。行政や民間の取り組みや特徴を検討し、人形職人、来訪者及び近隣住民による文化的な交流を実現する場づくりを提案するものとなった。利便性の高い岩槻駅周辺を対象地域に設定し、人形製作の見学や製作体験を行っている事業所を巡ることで、人形づくりの製作工程にふれられる環境を作る。さらに、より効果的な利用を図るため、見学及び製作体験、交可能な拠点施設も整備。拠点施設は異分野のクリエイターにも開放して、文化的な交流を活性化する創作拠点の役割を持たせる。その拠点についても、人形事業所の社員寮だった建物をリノベーションする具体的な案を示した。今回の発表会で示されたプランを、参加者はどのように受け止めたのか、行政や人形事業所、民間団体の関係者らが、それぞれ行ってきた取り組みもある。陳氏の案との連携により何を生み出せるのか。岩槻の未来を考えるきっかけの場となった。
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