子ども奮闘記 「言葉にして受け止める大切さ」後編

学童に勤めた私が当時を振り返って、気づいたことを綴る「子どもたちとの関りの日々」の記録です。

ある時、その子がプラレールを組み立てているときに思ったように組み立てられずに、泣き出してしまうことがありました。
乱暴にかごの中に片づけていきます。
そういう時、一般には「壊れるからやめなさい」と叱るものかもしれません。
物を大切に扱うことを教えることは必要なことです。
私もまずはそう言いました。
しかし、泣き止むことはなく、物を投げる勢いは一層ますばかりだったのです。
さて、私は考えて、声掛けを変えました。
まずは良いか悪いか、を教えるよりも、なぜ投げてしまうのか、という気持ちの方を大事にしようと思ったのでした。
「そうだよね」「うまくいかないと面白くなくて投げちゃうよね」「でもせっかく遊べるプラレールが、壊れちゃうかもしれないね」「そうなったら悲しいね」と声をかけ続けました。
するとだんだんとその子は落ち着いてきて、「ほら、こんなにすごいの作ってるんだから、もったいないよ」と伝えたのです。
そうするとその子は泣き止んで再開したのでした。
苦手なことをちょっとした声掛けでうまく対処できることもあるのです。
叱るだけが声掛けではありません。
時に気持ちの方を汲み取ることも大切なのです。
ちょっとした声掛けの違いかもしれませんが、それもまた大切に積み重ねる関わりの一つなのでした。
【ともくん】

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