寄稿 9月1日公開 映画「福田村事件」

 ちょうど100年前の9月1日、関東地方を激しい地震が襲いました。関東大震災です。

「富士山が噴火した」などというデマが広まる中、朝鮮人が井戸に毒を入れているというデマが流れました。
東京日々新聞(現毎日新聞)も「不逞鮮人各所に放火」などと誤報を連日流し、東京から避難する人たちによってこのデマは日本中に拡散。

 各地の自警団が、「村や家族を守るべし。すぐに竹を切り出せ。」と立ち上がってしまいました。
そして、不審な集団を見つけると、「15円50銭と言ってみろ」と迫ったのです。
犠牲になったのは、日本語が不自由な朝鮮の人たちだけではありませんでした。
中国などから来た外国人に加え、地方から行商に来ていた日本人も犠牲となったのです。
 千葉県福田村(現野田市)では、香川県から行商に来ていた人たちが、朝鮮人とまちがえられて10名も殺されてしまいました。
また、彼らは被差別部落の出身でもあったと言われています。
朝鮮人差別と部落差別という日本の歴史的な差別問題が、9月1日公開の映画『福田村事件』ではリアルに描かれています。
(この映画には、井浦新、田中麗奈、永山瑛太らが出演。イオンシネマ春日部や、浦和美園で公開中)

 残念なことに、大災害という非日常的な出来事が起きると、デマがはびこり差別感情があらわになるのは現代も何も変わらないのです。
私は東日本大震災を初めてとした各地の被災地で、「外国人窃盗団が暗躍」というデマを何度も聞いた経験があります。

 私たちが住む埼玉県の東部や南部には、多くの外国籍の方が住んでいます。この7月にはトルコ国籍のクルド人の間で対立が起こり、殺人未遂事件が起こりました。刺されたクルド人が「川口市立医療センター」に救急搬送されると、病院周辺に双方のクルド人100人が集結。付近は騒然とし、5時間以上にわたって救急患者の受け入れが停止する事態となりました。難民であるはずの彼らの中には、ポルシェやフェラーリを所有する人もいて、若者のなかには爆音をまき散らす不法改造車を乗り回す輩もおり、近隣住民は日々迷惑を被っています。
 川口市議会でも問題となっているのに、なぜか大手マスコミはほとんど報道しません。
こんな中で大災害が起きたらどうなるか?福田村事件は決して100年前の昔の出来事ではないのです。
【さいたま市防災アドバイザー・加倉井誠】

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