今回は少し切り口を変えて考えてみましょう。
認知症は、徐々に進行します。
初期には独居の生活も維持できるほど何でもできます。
ほんの少しづつ出来ないことが増えてくる。
例えば、友人と出かける約束をしたのに忘れることが続く。
病院の受診日を忘れて行かなかった。
周囲の人があれ?と思い始める。
それでも、その場での判断力は健在で、久しぶりに会った親せきなどが、昔の思い出話などしても、滞りなく話ができ、元気そうでよかったなどと思われる。
習慣として行ってきた行為は、手際よくでき、違和感を感じさせない。
気配りもできていたりして、病とは感じられない。
毎日一緒に居る人だけが、繰り返しの話が増えてきていることに気付いている。
でも、習慣的に行っている身辺のことは、まだできています。

 ところが、少しずつ、できないことが出てきます。
お風呂に、本人は毎日入っていると言うけれど以前入った時の記憶をもって、本人は昨夜もお風呂に入ったと思っているという状態。
本人はできているつもりですから、これを家族やましてやヘルパーなどが指摘すると険悪になります。
お風呂くらいなら命に関わることはないので、まだ良いのですが、食べていないのに食べたと思ってしまうタイプですと、これは命に関わってきます。
食べていなければ、痩せてきてしまいます。
独居だったりすると気付かれにくい。
外食などに連れ出すと、普通に食べられるので、まさか毎日食べていないとは想像できませんよね。
食べたのに、食べていないと訴えるという話はよく聞きますが逆もあるのです。
お腹が空いたとか、満腹だという感覚も鈍くなっていて、一人では命を守ることができない状態です。
こういう症状が出てくると、それまでできていた家事のうち特に掃除が、できなくなってきています。
きれい好きだった人が台所の排水口がぬめっていたり、お風呂がカビだらけなどで、別居家族が気づくこともあります。
しかし本人はいつも通りやっているつもりなので、それは認知症の症状によるものです。
本人の尊厳を尊重しつつ、支援をしていく必要があるので、介入が難しい時期でもあります。
下手にできていないことを指摘すると、喧嘩になってしまいますから。(次回につづく)   

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