挑戦者 鈴木雄大 25

パタゴニアのポインセノットにトライ

アルゼンチンは南の極地、パタゴニアへ行ってきた。
フィッツロイ山群 中央左の二番目に高い山であるポインセノットにトライする。

 深夜2時に起き、3時頃テントを出る。
テント地は雪で覆われ、その先の氷河も脛~膝まで埋まる程度だ。
今日はとても天気の良い予報だが、翌日からはすぐにまた荒れる様子。
前日までの雪も相まってか、僕らと他にギリシャの2人組しかいない。
聞くと1人は40代で、GIRI GIRI BOYSという日本の伝説的クライマー集団のファンらしく、彼らの新ルート、懸垂下降での事故の話など、盛り上がる。

 4人で交代しながらラッセル(雪かきで道なき道を進むこと)をし、フィッツロイとポインセノットの分岐まで。
傾斜が強くなると胸ラッセルとなるコンディションだ。
とはいえ、パタゴニアに来て1週間、まだ何もできていないので、とりあえずトライをしたい。
フランスからここまで遥々ヒッチハイクしてきたエンゾも、ギリシャ人も同じ気持ちのようだ。

 身長185センチ、24歳のエンゾがブルドーザーのようなラッセルでポインセノットへの急な斜面を横切っていく。
ギリシャチームとはここで別れ、好天と健闘を祈る。

やがて雪崩の通り道に差し掛かると、新雪は磨かれ落ち、氷化した60°の斜面に差し掛かる。ラッセルで時間を奪われたが、無事に迷わず取り付きへ。

 エンゾとは麓のエルチャルテンのホステル(キャンプ場)で出会ったが、いくつも穴の空いたダウンジャケットに使い込まれた登山用具を見れば、ある程度信頼できそうだなとパッと感じた。
おまけにヒッチハイクの途中でペルー・アウサンガテ北壁に寄ったという。
僕が浸かった温泉で、北壁を見ながら登攀ラインを探り、時期が遅かったので断念したそうだ。

 そんな経緯で意気投合し、こうしてポインセノットにトライできることがクレイジーだと2人で話していた。
「クライミングは人々を強烈な方法で結びつける」

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