帽子考 文=加藤三郎(2018.11月)

最近さすがにメーカー名の入った野球帽を被っている人は少なくなりましたが、地域の集まりで帽子を被ってくる人の大半は野球帽型の帽子です。
あまり一般的ではありませんが、文士、芸術家、の間で「ベレー帽」が流行したことがありました。
フランスのバスク地方の人々が藍義太丸くてつばのない帽子です、バスク地方の位置はピレネー山脈の西側のスペインとの国境あたりで独特の文化を持っていました。
比較的厚地の生地で作られており、日本ではラシャ、あるいは毛糸で編まれたものが使用されていました、あの有名な作詞家のサトウハチロー氏のトレードマークともいえる、ベレー帽姿はよく神田のレストランでお目にかかったことがあります。
戦後に流行った音楽喫茶の片隅にで芸術家風の若者がベレー帽を被って、クラシック音楽を聴きながら、瞑想にふけっている姿をよく見かけました。
もう一つ、最近は死語に近くなった帽子に「ナイトキャップ」があります。
これは就寝中の髪の乱れ、或いは整髪料が枕カバーにつくのを防止するためだったようですが、少年俱楽部に連載され人気を博した田川水泡の似顔絵にメッシュのナイトキャップを被りペンをもつ姿が描かれていました。
さらに、ナイトキャップにはもう一つ意味があります、ヨーロッパではブランデーの別名としてシャレて使われています、つまり日本で言えば寝酒です、これはなんのかんのと理由を付けて男性諸氏の間で今も流行っていることです。
<次号へ続く>

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